段取り八割金利は二割。事前打ち合わせって大切。
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ふたつならんだデスクの前を通り過ぎ、目的地で足を止めた。
「社長、会長、トップ団長」
「……にゃにをいっているのかねぇ」
最近入れ歯を忘れる日が続き、めっきり滑舌が怪しくなった一番奥のデスクの主は、にぇえ、とも聞こえる言葉をいいながら首を傾けた。10年前から細身だった彼の首は半開きの傘のよう。くぼんだ首の付け根を見るたびに、実家の棚田を思い出す。
「トップ団長、質問してもよろしいでしょうか」
がんばれ、俺、入社十年の謎を解き明かせ。
にゃんたい、と――多分、なんだいだろう、トップ団長のうながしに支えられ、この十年というもの思っても思っても口にできなかった疑問を叫んだ。
「社長と会長は解ります! でもトップ団長って何ですか! ていうか何で会長と社長のデスク並んでるんですか! 俺、あ違った私と同じ机と椅子なんですか!」
「きみだって支社長じゃにゃいかねぇ」
「このビル勤務なんですけど!」
小ネタ : (株)秘密結社エリマキトカゲ より
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昔は百花がこの手のノリができる話だったんですが(「鉄火巻き上下編」とか)、最近紫苑が変わったので腑に落ちないネタができなくなりました……陽羅とエリマキトカゲが最後の砦です。
陽羅は「ニンジンソード!」あたりがあらゆるネタを詰めこんだ感じ。
エリマキトカゲは設定からしてトンデモなのでトンデモなネタをがっつり仕込めていい感じです。
社員数は平常時二十名です。はい。たまに増えます。基本派遣業のようです。希に増殖します。三日に一回社員の一人が死んで甦生します。一週間ごとに社員の一人が外見をものっそかえます。毎日目の色が違う社員がいます。炎色反応する逆立った髪の社員もいます。
そんな株式会社です。
こー、地上駅のある車両からのみ駅に一枚だけ設置されてるこの会社のどでかい看板が見えて、見ちゃった人が内心ツッコミ入れる雰囲気の。
(株)秘密結社エリマキトカゲ
そのうちサイトにほんとにアップしたいです。
でもこういう小ネタが飛ばせる話すぎて、まとまった何かがないんですけど。

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