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    とやら、とやら、そこにいるのはわたしではない、と

     はじめに、申しあげましょう。
     反町織葉があんなこと言うとは思ってなかったんです。時制をおかしくしたり、変な丁寧語にして、人間っぽくなさをだそうとは思いましたが、ここまで「とやら」を活かしてくるとは思っていませんでした。
     天気予報を語るように。
    「ふるくは生きていましたね。昔は神とも崇められたでしょう。片桐紫苑くんとやらのような人に呼ばれた覚えもかすかにあります。しかしとりあえず今は反町織葉とやらをやっているのですよ」
     いや本当に、ししょーのご同類過ぎる。
     ここにはないものとして、じつに織葉らしい、喋りだったのだなぁ、などと筆の滑りに感嘆している白沢さんです。書き終わってからもしかして滑った、と思ったものほど、なぜかよろしくなってしまうことってありますよね。出した直後に間違えたと思いこんだテストの答案。落ちたと思った面接の受験番号。
     中学時代の先生が、このようなことをおっしゃっていました。
    「満点を取れるときは、一度も引っかからず、気がついたら解き終わっているときだ」と。
     できたという手応えがあるときも満点とれたりするものなんでしょうけれど。思考を淀ませず総てを終わらせたとき、そこに意識の到達できない何かを見ることになるのでしょう。
     ま、先生はそうなれるほどに知っている、覚えている――事前の努力というのを暗に含めたのかも知れませんが。

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    反町さん補足

     読めないんじゃないよ。
     ほんとうに、まったく、読まないんだよ。

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    百花

     気がつけば黍野が「寄っただけ、中間試験が」と言い捨てて去った日から結構経った。今日は珍しく午前中に訪ねてきて、座るなり「しまった今回ので推薦の成績決まるのに」と頭を抱えた。
    「おやすみ……」
    「って紫苑、昼御飯は!」


     うたた寝の国から戻ってくると、黍野がテーブルの向こうにある脚つきソファに突っ伏していた。
    「何、してんの……」
     白い半袖のシャツから伸びた腕がクッションを抱えこんでいる。布が引っ張られていて二分袖の境界が見えた。
     日を遮った制服の跡だけだろうかと思っていたが、一級下の少女にはまだ体育の授業があるらしい。ゴールテープもどきを切って倒れこんだ周回遅れのマラソン練習、スリーポイントラインをちょっと越えてたシュート、どこもかしこもツッコミどころだらけの他愛ない時間だった。
     一年の差である彼女の現在を懐かしいと思い、紫苑は立ちあがる。たくさん眠ってしまったから何やら動きたくなったのだ。
     客間から庭に続く

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    ている おぶ おとん

     父にしろ伊月にしろそういう巡り合わせなのだ。
     伊月が転勤族という言葉を知ったのは七年だか八年だか齢を重ねた頃だったが、意味を知ったのはそれよりもっと昔だった。
     黒板の前で衆目を浴びるのに慣れ、自身を転校族と呼べるのであろうとあきらめがついたのと同時かと思う。
     夏休みだとかには祖父母の待つ家に戻ったけれど、どうも腰を落ち着けたと思えた記憶がない。自宅――マンションだったりアパートだったり貸家であったりした、にいるときでもそうだったので、仕方がないのかも知れなかった。
     だいたいどこにいても身軽に父は移動する。本人は行きたくないんだけどね、会社だしね、などと口にするが、東海道は勿論のこと南海道も北海道も北陸道にも伊月を連れ回しておきながら言うことではないのである。
    「わかってるけどさ。で? 今度はどこ」
     未就学児時代も勘定に入れると十を超えそうな気がしている。人生何度目の転校だろう。唯一幸いなのは三年ではあるがまだ二学期で、何とか進路を変えることができると言うだけ――。
    「えっと、一応ね、席だけは東京の本社でね、たまに、帰ってくるんだけどね、帰ってきたら一週間くらいいるみたいだけど、し、しんがぽぉる……?」
     変えすぎだ。
    「ああ、本当にわかった、さよなら父さん。俺どっか寮制の高校受ける。それか父さんがいつ来てもいいくらいのアパート借りよう。待ってる」
    「えええ……」
    「ついていけるか!」
    「だいじょうぶ! 伊月、バイリンガルにオトモダチできるよっ」
    「私立、今から間に合うか……? そうだ塾の資料室行ってこよう、うん。ああ、そういや片桐も関東行くとか言ってたっけなー。資料持ってるかなー」
    「あ、あのね、東京高いよ!」
     しゅぴし、と右腕を伸ばして宣言するもういくつ寝ると四十歳。
    「願書取りに行かなきゃな。……何が?」
    「アパートだとか物価だとか」
     普段は父子ふたりで住み、頼みの祖父母も遠方にいるとあって父とは多くの情報を共有している。お別れ会にも慣れた日に教えられたのは生命保険の額と貯金の残額。それ以降は昇給のたびに逐一申告、いまやボーナスの金額を見て今年の査定の結果も量れるほどである。
     月々の出費と毎日の出費、経費と私費の違いから、すべて。
    「貯金あるでしょ、オトウサマ。誰が海外いくか。楓はどーする。どこにするか……えっと学費順に並んでいる資料本ねぇわけ……? 楓、部屋に戻ろう」
    「あ……どうしようね。で、でも伊月がいないと……あ」
     かえっちゃった、と

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    予告

     年末です。
     年末になると百花繚乱の雪月花を否応なく思い出します。
     去年や一昨年はもっと更新。
     今年は、In the bulbの進み具合がなんとも何ともなので、
     年内で白沢の旧版を一掃しようという方向で思い出しました。
     年、ばかり続いていますね(笑)

     年末に(たぶん、実家に帰るので喪があけるのとほぼ同時か――あるいは12/26をもって)旧版のほとんどの作品を削除します。

     どうにも進行の仕方、肝の部分がIn the bulbと同じになる気配がす
    するので、いっそ旧版を断ち切ります。
     さすがに読み返せなくなってきましたし。
     カップリングも変わってしまったので、旧版のまま続けるのがとても辛い。
     まあ、きれいに? 10周年を終えたので昔の彼らを隠居させてあげようかな、と。


     以上決意の次第。

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    ためしうち

    「紫苑、なんか携帯」
     男性の指の節にちょうど角があたる機器が規則的な明滅をしだし、あれ、と早弓は目をしばたかせた。早弓が寄り付かない一因であるが、この家敷では庭でもどこでも基本的に圏外になってしまう。
     高校入学を機に買った、否、気に入らない校則があるけれども買わせた一品であるから、掌中にあって当然というほど手に馴染んでいるものだ。使えないなんて不便でしかたない。
     その使えないはずの、そして家主が必要としていないものがきっちりしっかり動いている。
    「なんか受信してるんすけどー……いいの?」
    「いいんだ。何て言うか、その……見たくない」
     引きこんだ手前何度も様子見に来るうちにすっかり見慣れた風情で、紫苑は足つきのソファに身を預けていた。
     空気のクッションがあるかのように体を少し右に傾ける。
    「何か出てきてしまいそうな気がするだろ」
    「ユーレイ?」
    さらに傾いだ。
    「黍野はそれ平気なのか」
    「あたりまえじゃない。前世も先祖も怖くなければ恐くないもの」
    「そう、かな」
    「知ってるから、わたし。彼岸からいつも声がするの。お祖母ちゃんが、それがあるのだって言っていたわ」
    「信じているんだ……?」
    「信じきれないから怖いのよ」
    「おれは……黍野、塾は」
    「毎日は行かないわ」
    「数学?」
    「ううん、現国、ライティング、それからただの模試」
    「夢みたいだね」
    「夢みたいだわ。だから多分、わたし」
    片桐が何を口走っても笑って応えるだろう。
    ギィ、と栗色の扉が開いた。
    「お茶がはいっています。如何しますか、ふたりとも」
    「いただきます」
    「飲んでく。お菓子なぁに?」
    「駅前のシュークリームです。シューがやわらかくならないうちに食べてしまいましょう。早くいらっしゃい」
    「はーい」

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    かたぎりきょうだい

     ふと気づけば、設定整頓部屋の内容と大きく乖離していてどうしようかというくらいになっています。In the bulb。

     設定整頓がミスリードしてどうすんだって話ですよねぇ。

     そのうち直します。

     とりあえず、家族構成。

    片桐。祖母、父、母、三きょうだい
    白沢。父子。父親シンガポールあたり
    柊。父、母、弟。
    黍野。曾祖母・祖父・祖母・父・母・兄
    神山。母、従弟達、従姉(家系違い)。田舎に祖父ちゃんたちはいる。

    白楓→白狐。平安後期~鎌倉時代か、その辺に死んでいた狐。
    涼哉→硝子氷の柱の中にいるらしい何か。大陸風。
    八尋→反町織葉(晴れやかなまでに偽名)。昭和。



     設定整頓部屋にいない織葉について。
     前の名前は慈姑。字面が好き。クワイ。あれですよ。食用の。たまにスーパーの野菜売り場に並んでるこ。

     外見は二十代後半、黒髪黒瞳。ややのっぺりまったりした顔立ち。
     八尋自体は辿々しいが、織葉の引き出しから出てくる物言いをするのでやや早口。
     人を呼ぶ基本は「なんとかさん(くん)とやら」。本人至って自分はふつー(ことに、他の二人に比して)と認識しているが、「まったくししょーのご同類すぎる」と評される程度に常軌を逸している。この呼び方からして普通でないことをまず理解すべき。
     一応区分はカミサマ。精霊の類の方が理解はよい。一応現在、死体が動いている状態。死んだ身体を依り代にして動き回っているおにいさん。反町織葉が男性なので男性っぽくふるまっているが本来はない。国によっては男性・女性・中性名詞とかあるかも知れない。その言語圏に準じる。

     本性の関連で、基本的に彼とは親和性が高く、ゆえにちょっと今微妙。

     ただこれに限らず――白沢さん的には此岸彼岸を繋ぐほどの佳い芳香であれば何でもいいので神聖な香、とりわけ(楓と同じく)樹液に主をおくものをひとつ彼に追加しておきました。
     乳香、オリバナム。


     ほら、その、ひとの発想力てそんなもんだよね……。



     一番最初に見た反魂香が「うつほ草子」の反魂香なもんで、どうにもなめらかな楕円の随のような香を、木のうろから取り出される香を思い浮かべてしまうのです。五弦の琵琶と愛別離苦も。

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    時は早去り追想も加速する

     紫色の薄雲が靄がかった朝日の彼方へと流れていった。
    「じきに眩しくなってしまうからね」
     リビングのカーテンを合わせると、透明水彩の白いのをごく薄く溶いた水をかぶった景色が消える。白楓は


    (あとで)

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    おとのふしぎ

     百花書いてて進まんな、と思っていたころのこと。
     ネオロマ回してもダメ。
     真綾さん回してもダメ。
     お医者さんなんて以ての外。

     小野もみっちゃんもグラロデさんも試したけれど、どうにもしっくりこなくて書けない。
     それで、普段聞かない楽曲を試しに流してみたら、途端に進みがよくなったんですね。あり得ないほどに。
     どこぞの、白い十字架でした。
     そう言えば、百花は白い十字架からできた話なのでした。

     合作始まりなのでも互いに互いなりの思惑があったのですが、白沢は目的とか好悪の情とかそういうのが、まったくかち合っていないのに一緒にいる四人、というのが書きたくて書いたものです。
     鎮魂ではほとんど桔梗と黍は喋っていませんし、紫苑とも齟齬がある。
     その後の話でも、桔梗のアンテナは紫苑、楓、柊に主に向いていて、黍のアンテナは柊、紫苑、楓に向いている感じ。
     紫苑アンテナから柊はちょっとハズレ気味で、葵、桔梗、楓、黍。
     楓アンテナは桔梗、橘、他平等。
     葵アンテナは、紫苑オンリー……。時々楓、まれに桔梗、降水確率十パーセント程度。

     白い十字架の刀と、ワイヤーと、直接殴りにかかるのと、情報戦と火薬。それを、剣と、盗賊と、鬼の怪力と、魔術にしてこねこねして作ったのが百花繚乱の鎮魂歌と想出です。
     発案段階で鬼のよーに脳内CDとなっていた楽曲ならテンションも上がり、進みがよくなるというものですね。

     旧版でやらかしていた色々を反省し、新編は「一万字を越えない」を目標にしていたのですがIn the bulb.6で越えました。枚数的なものではなくて、本当に、字数が。
     誰だ、大学入りたてのあの授業で三十枚小説に戦いていたやつ……。
     その枚数を、びっちり敷きつめた分だけの文字を書くことになっていようとは、ね。


     ああ、そうそう、白い十字架の話でまだまだあった。
     肉体派バグナグさんには当家の力技派・柊さんがあたる気がしています。なので是非に、1997、8年当時の自分をほめてつかわしたいです。
     この柊さんの武器や役割をワイヤーさんに据えていましたら、きっと、今頃、現在LaLaを騒がせている変態のひとりのように思えてしまって、書くどころではなくなっていたでしょうから。
     十年前の予見も何もしていなかった自分にかんぱーい!
     同じく何の予期もしていなかったので、二年後に同モチーフの最大級に気に入るゲームが生まれるとも知らず、四人が分身殺法した! 楓までは五大元素でどうにかできるけど、もう無理! ……と、白い十字架の四の属性から八の属性に変化させてしまっていたのです。
     丁度整理をすすめていた頃、ラブラブ通信だとかでネオロマンスの新作紹介があって、遙か四のもしもな未来よりは衝撃が少ないのの、ちゃぶ台に盛大にめりこむ既定伝承が記述されていたのでした。
     いやね……誰かさんの象徴花とかね……(桔梗)
     誰かさんの好きな色だとかね……(紫苑)
     誰かさんの名字だとかね……(橘)

     もしかして、やや変態的な地の白虎を素直に好きになれないのは、こんな因縁があるからでしょうか……?
     橘さんといい、翡翠といい、柊といい、ことごとく自分ちのキャラを想起させるものが詰まっているので……。
     あ、もちろん梶原のぞく。

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    いやいくらなんでも……!

     反町織葉の視点ターンがA4で4ページにまたがっていて、まだ地の文が入りきっていないところがあるとか、何ごと……!
     織葉さんは口の滑りがよすぎて困る。
     そして滑りがよすぎて、こんな時間までパソコンに向かってしまった自分に爆笑。

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