百花書いてて進まんな、と思っていたころのこと。
ネオロマ回してもダメ。
真綾さん回してもダメ。
お医者さんなんて以ての外。
小野もみっちゃんもグラロデさんも試したけれど、どうにもしっくりこなくて書けない。
それで、普段聞かない楽曲を試しに流してみたら、途端に進みがよくなったんですね。あり得ないほどに。
どこぞの、白い十字架でした。
そう言えば、百花は白い十字架からできた話なのでした。
合作始まりなのでも互いに互いなりの思惑があったのですが、白沢は目的とか好悪の情とかそういうのが、まったくかち合っていないのに一緒にいる四人、というのが書きたくて書いたものです。
鎮魂ではほとんど桔梗と黍は喋っていませんし、紫苑とも齟齬がある。
その後の話でも、桔梗のアンテナは紫苑、楓、柊に主に向いていて、黍のアンテナは柊、紫苑、楓に向いている感じ。
紫苑アンテナから柊はちょっとハズレ気味で、葵、桔梗、楓、黍。
楓アンテナは桔梗、橘、他平等。
葵アンテナは、紫苑オンリー……。時々楓、まれに桔梗、降水確率十パーセント程度。
白い十字架の刀と、ワイヤーと、直接殴りにかかるのと、情報戦と火薬。それを、剣と、盗賊と、鬼の怪力と、魔術にしてこねこねして作ったのが百花繚乱の鎮魂歌と想出です。
発案段階で鬼のよーに脳内CDとなっていた楽曲ならテンションも上がり、進みがよくなるというものですね。
旧版でやらかしていた色々を反省し、新編は「一万字を越えない」を目標にしていたのですがIn the bulb.6で越えました。枚数的なものではなくて、本当に、字数が。
誰だ、大学入りたてのあの授業で三十枚小説に戦いていたやつ……。
その枚数を、びっちり敷きつめた分だけの文字を書くことになっていようとは、ね。
ああ、そうそう、白い十字架の話でまだまだあった。
肉体派バグナグさんには当家の力技派・柊さんがあたる気がしています。なので是非に、1997、8年当時の自分をほめてつかわしたいです。
この柊さんの武器や役割をワイヤーさんに据えていましたら、きっと、今頃、現在LaLaを騒がせている変態のひとりのように思えてしまって、書くどころではなくなっていたでしょうから。
十年前の予見も何もしていなかった自分にかんぱーい!
同じく何の予期もしていなかったので、二年後に同モチーフの最大級に気に入るゲームが生まれるとも知らず、四人が分身殺法した! 楓までは五大元素でどうにかできるけど、もう無理! ……と、白い十字架の四の属性から八の属性に変化させてしまっていたのです。
丁度整理をすすめていた頃、ラブラブ通信だとかでネオロマンスの新作紹介があって、遙か四のもしもな未来よりは衝撃が少ないのの、ちゃぶ台に盛大にめりこむ既定伝承が記述されていたのでした。
いやね……誰かさんの象徴花とかね……(桔梗)
誰かさんの好きな色だとかね……(紫苑)
誰かさんの名字だとかね……(橘)
もしかして、やや変態的な地の白虎を素直に好きになれないのは、こんな因縁があるからでしょうか……?
橘さんといい、翡翠といい、柊といい、ことごとく自分ちのキャラを想起させるものが詰まっているので……。
あ、もちろん梶原のぞく。