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    棺桶を背負う人は

     その背景を書こうとすると大変なことになる。
     ぶっちゃけた話
     一族のひとりが來鬼となって帰ってきたため、国に居場所がなくなって追い出されたということなんですが。

     →來鬼は天を支配したので、とりあえず空の見えないところ(地下)に逃げこむ
     →恐怖や追いやられた苦しみを書きためる
     →ソラさんが楽譜(怨念)を持って旅に出る(自発的)

     ソラさん一族のいたところは呪い大国カイカノンではないので、來鬼の出現が稀なのです。あれね、吸血鬼疑惑や魔女狩りやそんな感じの扱いになったのね。

     それを書くということは、とっても、ものすごく、面倒な上大変なことになるのではあるまいか……。そのうえ、きっと、三十枚の時点とはテーマがずれる。
     來鬼関連のテーマ昇華は天都風でやるからやりたくないー。


     となりまして、ソラさんの設定をそっくり作り替えることになりました。
     グッバイ、中学時代の僕。
     もうその設定は使えないんだ。

     以下。苦し紛れに設定を生かそうとしたら、しっかりはっきり誰かさんが登場してしまったので、一時間で没が決定した叩き直し編。
     この誰かさんが登場した場合、絶対に1000枚越えるから……!




    …………………………

     昔、ひとりの子どもに会った。諦めきれない、と泣いていたソラに彼は言う。
     生まれ変わる、なんて言うけれど、生まれ変わったキミは、もうキミではないよね。キミの苦しみはキミのものじゃないか、キミ以外の誰が背負う? だろう? ねえ、ついえるなんて許したくないよね? ――と。
    ()
    「ソラ。君に時間をあげようか……?」
    「いただくわ……。そうよ。私が殺されるなんて、そんなの、嘘」
     血を吐きながら、そう答えた。仰向けに倒れた腹の上には、先ほど仕上げたばかりの譜が乗っている。血の飛沫が、灰茶色の紙に散った。
     まだ何もなせていない。まだ田舎の、埋没した誰かさんでしかない。
    ()
     胸を穿つ刃を引き抜いたのは、いったい誰だったのか。皮肉にも、その記憶はついえない命と引き替えに、ものの見事についえてしまった。
    ()
     与えられたことだけは覚えていた。水鏡をのぞくたび、朱紅く染まった瞳がそれを思い出させる。朱紅、だ。それを後悔したことなんてないが。
     己が知る、朱紅の言葉を思いだす。朱紅い瞳はひとつの証である。今、歌う言葉は思い知らせるためのものだった。滅びるなんて許さない、忘却なんて許さない、このまま自分が死ぬのは間違っている。そんな思いを、知らしめるためのものだ。
    ()
     死滅がない。何故ならすでに死んでいるから。
     忘却がない。何故ならこの身はすでに人ではないから。
     結末がない。ソラは終わりようがないのだ。だから歩む他がなかった。ときとともに重くなる荷を背負い、ただ歩いていく。

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