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    ティンダル老は冬を迎える

     おこんばんはです。
     半額の肉を買ってきて、でもめんどいから明日の弁当作らない、頭痛い、とゴロゴロしていましたところ、明日直帰でご実家コースになり(二十二時頃の話)、慌てて弁当を作り始めたのでありました。
     明日の夕飯に回そうと思っていたのですが、昼ご飯にちょっと格上げ? です。野菜も買いこみまくってきたんですけどね、今日。でもでも、とても美味しいものが実家で待っているので、かるうく釣られて帰ってしまいます。美味しいものはいいですよね!
     では!
     今日も小話。
     いつかきっちり書きたいティンダル老の話。


    …………………………

    【放浪戦隊ティンダル老2.5年目】


     背中を暖炉の火に照らしていますと、表の方がまして寒く思われました。ティンダル老は淡く息を吐いてから、空気を含んでふわふわした敷物から離れて、板で止めた窓に近寄りました。
     その窓は、土台の上に壁を立ててから無理矢理刳り抜くようにして作りましたので、またずいぶんと不格好だったのですが、ティンダル老はたいそう気に入っておりました。数枚の板を合わせた戸の、寸法を間違えてひとつだけ小さく作ってしまったのもなかなかに愛おしく、ああ寒いな、とこぼしながらも口元が緩むのを感じます。
     昨日と同じように間違った部分が口を開いていて、くぐってきた風が頬の熱をさらっていきます。昼間、窓戸をあげていたので覆い布をかけ忘れていたのでした。
     今年はこうして家がありますから、強い吹雪が訪ねてきてこない限りは何も心配はありません。
     けれども戸を打ちながら吹き込む声が、だんだんと去年の自分のもののように感じられてきて、ティンダル老は窓を押しあげて頭を外に出しました。
     まだまだ冬の初めではありましたが、なるほど以前のすすり泣きが聞こえてくるわけです。風が砂を巻きこみながら坂道を下って行き、別の風が凄まじい速さで駆けあがって来ました。
     ティンダル老の目には他にも種々のものが見えていました。
     巌に膝をついた敬虔な男性に寄り添う子どもは、始めて叱りつけるように触れてくる北風の肩布に怯えています。手を振ってやると弱々しく首肯を返して、男性と同じ格好で手を組んだのでした。
     その時です。

    【つづける】

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