お終いの日に、今日が限り最後だよ、と告げる力をもてたなら。
「きっと僕らは変わっていた」
こんな継続ではなかったはずだ。少なくとも、僕がひとりで割れるなんてことにはならなかった。
やりなおしたいか?
やりなおしたいとも。こんなのは許さないからと叫びたい。だが。
唇はアルコールで拭かれたあとのように乾いている。
喉に亀裂が深く広く刻まれている。
馬鹿みたいに空が朱紅い。もう警告なんか意味がないのに。空の色が朱紅に染まって、染まり続けてどれくらいだろう。
はじまりがどこにあったのかも忘れてしまった。
……。
誰のかと動かなくなった手を伸ばした。
やり直したいよ。君と。
手を伸ばす。体は動いちゃいないけど君の手を取る。
「翡冴、キミと」
輝く光に戻りたい。こんな終わり方じゃなくて、なにか別の、お終いを告げる勇気をもって。
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