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【積み上げてきた人生の終わったときに】
この時期に夏の話ですか白沢さん。
作品内現在時間は2002年8月23日の未明。西村氏は想定外の、予想もしていなかった、いきなりの、です。佳純君は誰もがそうなると疑っていて、けれど幕引きは彼自身の手で。
これ関連の他の作品でついている嘘に、日数ごまかしがあります。凝縮とか短縮とか。三日以上かけるべきところを、一日詰めて二日以上の時間の話に変えております。
いや本当に難しい。
たった数分のモノローグがどうしてこんなに書けないのか。掴めないからと言うのが大きな理由ですが、色々ときつい題材ですね。ひとりのこういうのを追うのは。いっそジェノサイドの方が書くのは楽なのではないかと思うくらい。
そして、こういうのは、面白みのある話にはならないのです。この題材を感動のレベルまで引き上げる描写力とか、嘘の上手い付き方とか、あえてツッコミいただく点を作ってでも物語にかえるとか、そういう技量がつくか。
書けるだけの感慨をもてるか。
どっちかできるまでは、死ぬことに付随して起こる何かは書けても、死ぬことは書けないなぁ。
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