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    当時の己は何を思っていたのだか

     わかりませんなぁ。いやはや、わかりませんなぁ。

     
     ゼミについて、他のゼミのせんせに尋ねて、缶の紅茶を失敬し、のんべんだらりと部室でおたトークしてた白沢です。いえ、真面目な話もけっこうしていたはずですけど。
     如何せん具合がイマイチなので、いまいちなレスポンスしかできてないんですが。
     なんかもう、聞き飽きたよ、とか。
     自己推薦の意味を問いかけたかったり。
     他の団体の方にもお手数かけてしまって申し訳なかったり。
     自分の団体の人と問題を自分たちでどうにかできないのが情けなかったり。

     ほんとうに、有り難い心遣いを戴いたなぁ、と。思うのであります。白沢はできなかったので。
     持つべきものは、でございます。
     ええ。


     あ、私信。
     >先輩
     読みます。が、他の方によって落とされることはありません。……なんだかこれだけだと恋愛ゲームのようですね。落としゲ。




    …………………………

    【再利用・雪月花1-1】

    十二月 二十四-X日……

      柊 美鈴――彼女の場合
     好きな食べ物は? と聞かれたら、まずこう答えるだろう。
    「喰えるモノ」
     具体的に! と言われたら、……聞かれてもこうだろう。
    「故郷の料理」
     その中の一番は何だ? と、ツッこまれたら。
    「家庭の味だよ……」
     躊躇いがちに言うだろう。
     家庭……を無くしてから、もう何年経っただろう。――何年経っても、その味だけは忘れていない。
     雪の日は好きだった。寒いのは、外に出れないのは嫌だったけれど。
     冷たい中で、どこか温かい。
     雪の降りゆく音も、太陽があたったその瞬間の光も、常緑樹の上の白も煌めいて。積もった雪も心地いい。
     暖炉の火も、温かいスープも……揺り椅子の揺れる木の音も。
     みんな好きだった。
     暖かな温もり。

     だけど、今の私にはそれが無い。
     それでも満たされている。友人……仲間がいるから。
     紫苑、葵、桔梗、楓、橘、黍……。
    神奈川と、東京の県境(東京側)にある二つの家に私達は住んでいる。
     この辺りの住宅事情によると、二軒ともかなり広いらしい。慈姑と一緒に鬼神達に頼み込んで(半ば脅迫して)貰った家で、住み心地はすこぶるいい。
     とてもよく手入れされていたので、私達がやった事と言えば、二軒を隔てる塀を壊して取り払った事だけ。
     住居の問題は、鬼神の支援を受けてるから、無い。
     しかし、ただで生活なんて出来るワケがないので働いている。一応。
     家から見て道を挟んだ向かい側。高里 要がオーナーの喫茶店、カフェ・セイリオス。
     要とは、ここに住居を定めた時にやった、御近所回りで知り合った。で、その日に雇ってくれ、と頼み込み――要は快諾し、次の日からいきなり入れと言った。
     要曰く、雇われ人がいないの~。と。近所の人達が来る様になったので人手不足だから。と。
    「しっかし、ここって喫茶店って言えるのかしらー」
    「そーだよ、一応。ま、小物とか、わけわかめな薬とか売ってて、雑貨屋さん状態に陥ってるけど……」
     トントントン。軽快にニンジンさんを切りながら、桔梗が私に答える。
    「私達が料理できるからって、メニューに色々と追加したみたいねー、要は」
    「人手はあるからな。時間掛かるヤツ作ってもOKだ。……とか、要は言ってたが。喫茶って言うより、すでに料理屋の域にいってるな、飲食物。珈琲は何気に高いし」
     ジャガイモが一口サイズ(少し大きめ)に切られていく。
     私と桔梗は大抵調理場にいる。気がついたら、ここの担当にされていた。料理は好きだから文句は無い。ただこの店の大雑把さが気になるだけで。
     そう言えば、最初はお茶類と、ケーキが置いてあるだけの店にするつもりだった。とかここのオーナーはほざいていた。
     深型ナベに次々と切られた野菜が投入される。
    「ま、品質がいいって事で。納得してあげましょうー」
     桔梗がふとカレンダーを見て、小さくあっ……。と、声を出す。
    「十二月……もう中旬じゃないか……」
    「あ、クリスマスーね。さって、誰と一緒に過ごせるかにゃー?」
     それを聞いた桔梗がこちらを向く。その顔の右半分は怒った様な……左半分は笑っている様な……奇妙な表情で私を見る。
    「…………」
    「…………」
     負けるのはイヤなので、こちらも見つめ続ける。
     普通だったらここで、ほわほわした空気と約束が来るだろうが、私達の間にあるのは。何と言うか……ねっちりとまったりとスパイシーでデンジャラスかつ、サスペンスな空気だった。
    「…………」
    「…………」
    「……………………阿呆」
     左半分の表情は微笑ではなかった! 哀れんで、小馬鹿にしている冷笑か?
    「クリスマスは……客を取りやすいよな、この辺りなら。と、この店だって営業するだろう。当然――朝から準備、昼には客が訪れて、夜はきっとピークだよな?」
    「…………」
    「通常営業でさえ、さり気なーく忙しいオレ達のどこに、楽しむ暇があるんだ……?」
     桔梗の言ってる事は全部、認めたくない事実だった。よりにもよってコイツに肯定されるとはっ!
    「……………………はうっ」
     ぐらっと私は倒……れなかった。
     崩れ落ちる寸前に桔梗に支えられ、そのままの格好で冷淡に言い放たれる。
    「忙しいと言ったろう? 倒れるんじゃない」
     ――――こんちくしょう……。

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