…………………………
【安い青】
もはや通告。
脅迫の域さえ越え、
それ以外に道はないのだと
今直ちにそれをなす他、仕様がない。
――と知って。
鳴海聖は宴の幕をあけた。
手を離す準備はできている。
子どもはもう捨てている。
「もう、オレから離れなさい」
「嫌だと言った」
「聞き分けがありませんね」
「嫌なものは拒否する」
「離れてください。手放して、おまえを傷つけるのは本意じゃないんです」
「誰が、おまえを見捨てるか」
だが、それでもこの連鎖はどうにもならない。
繋がったパスは、契約を解除するまで持続する。
繋がった縁は、記憶を失ってもついえない。
「……頑固が過ぎます。オレのことを忘れてください」
「その言葉遣いで話すおまえを、俺は信用しない」
「酷いな、啓」
「偽るときほど丁重になる、優しくなる、遠ざける。俺が、十五年つき合ったやつの癖を見抜けないほどの不明だとぬかしやがるか」
「できない、よ」
「ここでおまえを止めない、それは、おまえが俺をそう見なしていたという印になる。なあ、聖」
「オレがおまえをどう思っているかを誤解させたくないなら、か。馬鹿だね、啓。ばか」

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