課題小説の話。
じーわじーわ進んでいます。
じーわじーわ直してもいます。
まだ数行単位ですが、ぽいってしたのもあってちょっとしょんぼりしながら、でも一番大事なところをぽいってしているしなーと自分を慰めています。
折しも雨でちょっとびっくり(6/22) 上のリンク先が最初の。
で、今日の追記が同じ枚数の本日現在のもの。
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追懐
目覚まし時計より先に、階下の親機と階段横の子機がリィンリリリィンとけたたましい音を響かせた。
子機の一拍遅れが平行カノンのように聞こえ、午後であれば楽しめたのに、と溜息をついて起きあがったところで音が途切れた。父親がとったのだろう、階段の方でぼそぼそと話す声がする。
目やにで貼りつきそうになる瞼を開けて、ベッド脇に置いた時計を眺めた。まだ六時にもなっていない。ずいぶん非常識な電話だなと目を閉じる。夏休みなのだ、それに今日は部活もないし登校日は明後日、昼までだって転がっていられそうな気がする。暑さからの逃避もあってか眠気が容赦なく襲ってくる。宿題の追いこみを始めて、床に入ったのは確か日付が変わってからだった。
思いだすとはなしに二度寝の理由をつけて、もう一度寝よう夢に戻ろう、とタオルケットをかけ直し、汗を吸った布団に突っ伏す。
「聖、起きているか」
とん、と呼びかけと同時に軽くドアを叩かれた。時間が時間だ、起きていると期待していないのか、聖の返事を待たずにノブが回る。
「なに、父さん」
「起きていたか」
ドアが薄く開かれる。子機を握りしめた左手が見えた。
「コールで起こされた。なんだったの、オレに用事?」
「直純君の」
思いがけない電話の主に目をしばたたかせた。目やにをぬぐって立ち上がる。机に置いた携帯電話を見て、電話どころかメールも受信していないことを確かめた。
「あいつが、朝から? しかも家電?」
問いながら大股で距離を詰める。ドアを全開にして手を出した。父親はかぶりを振って手を遠ざける。もう電話は切れているらしい。
「近所の方が代理でね、ここには回覧が回らないから電話で教えてくださった。西村のおじいさんが亡くなられたそうだ。――すぐに支度ができるかい? 直純君を頼みたいと」
「義高さんが。本当?」
…………………………
ちょっとだけ変わってる。ちょっとだけ。
で、以下。1200字体裁での三枚目の一行目で起承転結の起が終わるっぽい。
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思わず、寝起きの眉間の皺を忘れた。先程まで閉じようとしていた目が意識もしていないのに開く。
今はクラスも違うし、地区も違い、親の所属している組合も異なる。生徒本人が死んだのならともかく、祖父なら連絡網は回らない。たとえ回ったとしても、そのクラスだけだったろう。いくら幼少から交流があって親しくても、ただ部活が同じだけの友人に過ぎないのだと気づいて、聖は父親の足許を見つめた。
「悔しいがね」
「オレ、一昨日会ったんだけど。風鈴をかかげて見せてくれて」
「そうだね、私も先週お邪魔したよ。お元気そうだったから安心していたのだけれどね、ここしばらく随分暑かったから、その所為だろうと伝えられたが」
外科医の父はそう言って、汗で滑り落ちそうになった子機を持ち直した。
「友人だが縁者ではないと遠慮すべきなのだろうが、どうにも直純君の様子がね。行ってやりなさい、きっと寂しがっているだろうから」
「そんな言い方しないで。義高さんにつくづく似てる。同業者だからってひどい」
随分前に人を診るのをやめてしまったが、西村義高は町医者だった。戦前の古い医術書だとか患者への話し方だとかを、息子がよく訪ねるということもあって現在の外科医は彼から学んでいた。
式の時間を聞き、何度目かの経験になる通夜葬儀の手順を思い浮かべた。父親の仕事柄、到着する時間の調整はわきまえていた。
「ああ、支度ね、大丈夫。登校日前だから色々揃ってるし――待って、手伝うんなら制服駄目だ、っていうか通夜だしな。うん、ふつうの黒シャツもすぐ出てくる。無地だったかは自信ないけど」
自問しながら箪笥の中身を思い浮かべる。寝起き頭で思いつくまま喋っているのが解って、言い直そうと顔を上げた。
「無地シャツかどうか解らないけど、着替えるよ。制服もクリーニングから戻ってきてるから告別式も問題ない。今日は特に予定もないからいつでも行ける。直純がオレを呼んでいるから、すぐ支度して行くんだよね、父さん」
「まだ少し早いよ、聖」
「遅いのも駄目だって言ってなかった? お友達順位だからしかたないけどさ、あの辺親戚かたまってるって聞いてるから、家なら急いでも直系より遅く着くよ平気平気。ちょっと待ってて、十分で朝食作るから、米と野菜だけで」
制止する声に反発し、水が流れ落ちるように捲し立てる。そんなに急かなくても、という声が聞こえたが、無視してドアを閉めた。
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動詞の漢字が一定じゃない気がしてきた……。直そう。確認しよう、うん。
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