いつ、諦めたんだろう。
いつ、それが夢だと――叶わない、水藍色の夢なのだと思うようになったのだろう。
ついえた夢は、私のモノだった。ソルは瞑目する。君に奏でられたあの音は、私が苦心して組み立てたものだった。ソルは音色を辿って手を伸ばした。
スイ。
ねえ。君の音は私から出でたものだけど。君を通したものだけど。だけどもう、君のものだね。
ねえスイ。私のついえた夢が――君を通じて、光になると信じてもいいかい。私の戯言にもならない絵空事が、本当になってくれると。
私が私を諦めても、まだ連なっていくと。信じて、いいかい。
見せてくれると。その様を。
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