こんにちはの更新。
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【旅人の旋律、は】
テヌートという名で、次の音に移れないのをごまかす連れをもったお兄さんの話。テヌートはごまかしではないです、その一音を大事に弾くことです。
火事の話で。
白沢自身は火事にあったことがないのですが、夢で何度も火事を見ているので――感覚を伴わない描写なら、事欠かない題材であります。
旅人さんは、アッシュくんのもやもやをスッキリにするお話しのようで、スイさんのもやもやをあんまり書けないんですよねぇ。アッシュにしてみれば、如何したって越えようがないと信じるくらい羨ましい人なので。
ほんとに大丈夫かと聞きながら、スイならきっとどうにかなると思っているし、自分には手出しできないどこかのようにも思っているのでないのかな。
凄く短い、五分くらいの話です。
旅人は旅する人らしく「期限」があって「期間」があるので、うっかり長期間の話にしてしまうのですが、今回は陽羅の響いのように短い時間の話が書けて嬉しいです。
それでもやっぱり前後がある、と明示してしまうのが何とも。
陽羅は日常のコマを切り取ったものなので、前後関係があってもそれの影響が薄いのですが、旅人は駄目ですね。
この状況に置かれるためにはその前にこうなっていたのだ、としっかり自分で解っていないとブレが出ます。むん。
陽羅よりも登場人物のバックボーンを出している所為もありますけれど。陽羅は、人物背景ではなく人物性格を描いている感があります。こいつならこう反応する、という。それには人物の背景があるにはあるんですが……如何せん日常の中で、もとから仲がいい者同士が紡ぐ話ですから「説明する必要ない」と人物達同士が面倒がるのです。
船旅で、夏で、スイは小さい頃から船によく乗っているので滅多に酔わないとか、チラチラする炎の記憶はなんだとか、大型船だけでなく小舟にも乗っていたということは、生まれが水辺のあたりだなとか、もしかすると水路の都市かも知れないなとか。
所詮「日本人っぽい」人の範疇だろう、と片づけられる陽羅さん達と違うところがあります。
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