【■ 前日準備】
(本能に従ってふたりの魔法使いは当然ながら人参を悪用すべく策を巡らす)
ここはちいさなうさぎの王国
みんなが仲良くにこにこと
平和に楽しく過ごしていました
とくに王様ぐらんと孫王子じゅにあは仲良しで
王子はお父さんがいないことも
忘れるくらいに幸せでした
(ふたりの魔法使いはその席に着いたときから自動的にそのように機能する)
魔法使いが現れて大変 うさぎの国は上へ下へ大混乱
数十年に一度の大豊作 翌年に魔法使いがやってくる
王様ころころ転がって 悩んで悩んでおめめが真っ赤
王子ころころ転がって ぽてぽてあるいて心を決めた
他の民達てとてと歩き ぴょんぴょん跳ねて城を見る
(魔法使いは手下を増やし畑を雪で覆ったり人参を高額の薬にした)
大好きな人参が食べられない
みんな一緒にしょんぼりと過ごしていましたら
王子がぴんと姿勢を正しました
王様ぐらんの前に出て孫が魔法使いを倒しますと
王子はいない父母にかわって
幸せな国のために立ち上がりました
(魔法使いがちょっとだけ残っている記憶を探ると城の様子は簡単に調べられた)
「ちがうのだ! ニンジンは、ケーキやシチューになるために
おいしくやさしくつくられて、みんなで分けて食べるのだ!
ぼくに続くんだ、みなのもの! ニンジンと他のおやさいと
ぼくらの未来のために! セントキャロトアンドコーライ!」
(魔法使いはお耳をちょんと傾けてセントキャロトアンドコーライと復唱した)