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    さがさが。からかうのはさが

    こばなし


    …………………………

    【Pon,T-A】

    「ぽんた!」
     少し太めのしっかりした髪をほぐすように撫でてやると、本来あり得ない鳴き声を返された。まっすぐ落ちるぽんた色の毛の右耳の後ろらへんをかいてやった時だった。
    「にゃん」
    「ぽんた」
     ちょっと落ち着いてもう一度。
    「にゃんにゃー」
    「……ぽんた」
     膝の上に乗っかった頭の天辺を左手でぺしっと叩く。
    「なんでございますか、主様。キラルになんぞ用でもありましょか」
     うとうとまどろんでいた狸っぽい子どもっぽい者が片目だけ開ける。
    「にゃん。いつからそんな機能を搭載したんだい?」
    「それがですね、主様。聞くだに不思議、語るに不可思議、話せばながあくなることながら、じゅげむじゅげ」
     右手のかわほりでぱしこん、と打つ。
    「痛うございますですよぉ」
    「連想だけで喋るんじゃないよ」
    「いやまさかそんな、主様相手に限りましてそのようなことをキラルが、ねえ、まさか。いたしますに決まっとりましょうが」
    「ほんと、ほんとにいい性格してるよね、うちの家人」
    「主様ですからね」
    「あんまりすぎると話が戻らないじゃないか。にゃんの秘密は?」
    「日向ぼっこスペサルバッチが適用されたんですよ」
    「うん、そうなの。耳かきしてやんない。今すぐ膝からどくといいと思うよ、キラル」
    「ほんとなのに!」
    「そういう信仰ないでしょ、おやつ抜き!」
    「ほんとなのにっ」
    「じゃあどこの影響受けたか答えてごらん」
    「えへー」
    「夕飯も抜きにするからね」
    「主様を和ませたげるつもりでしたのに」

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    この先展開できないので

     中途半端だけど投下!
     半年後くらいに続きができるといいなっ。

    …………………………


    【まいおどるおねえさん】

     掌をピンと伸ばした指で打った。四指を揃え、頭脳線と生命線が集まるところに中指の先をあてると、薬指が感情線に沿って伸び、小指がそれとの間のはっきり見えない運命線を探す。
     掌を左右ともに丸め、空気を含ませて打ち合わせる。
     そうただ燃えたいのよ、と、不完全な熱を帯びた音を鳴らす。腰に巻いた布がひるがえり、じゃらじゃらつけたメッキの飾りがそのとおりにリズムを打った。踊らずにはいられない。ただ、あのこが歌わずにはいられなかったように、きっとひるがえす裾がなくても踊ったろう。ここに舞台があらずとも、観衆がいなくとも、もしかしたら、体がなかろうとも。裸の体も気にはすまい。爪の先に朱が乗っているかなど知ったことか。
     情念だと言った。踊るしかないのだとも思う。枯れ果てつつある声を運ぶ風が、荒涼とした赤い土を巻き上げている。

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    ですてにー

     暑さ寒さもだなんて話ではありませんね。ぬるい、日差しの下では暑いとさえも思うのです。
     スプリングコートもおろせましたよ。無事に。今日は赤口なので昨日の内に頑張って下ろしました。徘徊などして!




    …………………………

    一回。
    目をつむる。
    二回。
    今度はふっと右腕をつかむ力を弱めた。
    三回。
    足の位置をずらす。
    四回。
    壁を押すのを三秒やめた。
    五回。
    これが節目だと知らせるように一際大きく息をつく。
    「五回だ。もう待たないよ」
    君は逃げなかったんだからね、    。

    …………………………

    ありがちネタも書いてみたくなりますよね。

    いじょ、今日の車窓から

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    めも

    【ティンダル老は冬を知る】

    針が刺さっているようだ。
    影が留められ、足が動かなくなっていく。
    それでも越えねばならない。北へ北へ、未開の山へ、翼竜の咆哮が鳴響する境界の森より向こうの頂を、一歩でよいから越えねばならぬのだ。気管を戒める金の鎖が喉を突き破らぬうちに!
    とくとく歩を進め、刻限に至らぬように!
    重い襤褸の尾を引き、ずりりずりりの音を立てる。

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    ティンダル老は冬を迎える

     おこんばんはです。
     半額の肉を買ってきて、でもめんどいから明日の弁当作らない、頭痛い、とゴロゴロしていましたところ、明日直帰でご実家コースになり(二十二時頃の話)、慌てて弁当を作り始めたのでありました。
     明日の夕飯に回そうと思っていたのですが、昼ご飯にちょっと格上げ? です。野菜も買いこみまくってきたんですけどね、今日。でもでも、とても美味しいものが実家で待っているので、かるうく釣られて帰ってしまいます。美味しいものはいいですよね!
     では!
     今日も小話。
     いつかきっちり書きたいティンダル老の話。


    …………………………

    【放浪戦隊ティンダル老2.5年目】


     背中を暖炉の火に照らしていますと、表の方がまして寒く思われました。ティンダル老は淡く息を吐いてから、空気を含んでふわふわした敷物から離れて、板で止めた窓に近寄りました。
     その窓は、土台の上に壁を立ててから無理矢理刳り抜くようにして作りましたので、またずいぶんと不格好だったのですが、ティンダル老はたいそう気に入っておりました。数枚の板を合わせた戸の、寸法を間違えてひとつだけ小さく作ってしまったのもなかなかに愛おしく、ああ寒いな、とこぼしながらも口元が緩むのを感じます。
     昨日と同じように間違った部分が口を開いていて、くぐってきた風が頬の熱をさらっていきます。昼間、窓戸をあげていたので覆い布をかけ忘れていたのでした。
     今年はこうして家がありますから、強い吹雪が訪ねてきてこない限りは何も心配はありません。
     けれども戸を打ちながら吹き込む声が、だんだんと去年の自分のもののように感じられてきて、ティンダル老は窓を押しあげて頭を外に出しました。
     まだまだ冬の初めではありましたが、なるほど以前のすすり泣きが聞こえてくるわけです。風が砂を巻きこみながら坂道を下って行き、別の風が凄まじい速さで駆けあがって来ました。
     ティンダル老の目には他にも種々のものが見えていました。
     巌に膝をついた敬虔な男性に寄り添う子どもは、始めて叱りつけるように触れてくる北風の肩布に怯えています。手を振ってやると弱々しく首肯を返して、男性と同じ格好で手を組んだのでした。
     その時です。

    【つづける】

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    ゆうひには、ゆうひには

    【ゆうひには】

     あなたが好きだ、という日には、僕はかしこまろうとしてきっと失敗するだろう。
     答えも聞けずに逃げ出すくらいに。
     だから。
     あなたが、好きだ、という火には、雨のしずくを振らせよう。
     マッチが全部湿気るくらいに。
     あなたが、好きだという日には、水仙の花を届けよう。
     香りで全部霞むくらいに。
     あなたが好きだと、夕日には、堪らずこぼしてしまうだろう。
     白い水仙さえ色づいて、ちっともうまく隠せない。
     あなたが好きだという日には、逆らいがたく幸せな、夢を見ているようだろう。
     浮かれてしまって手がつけられない。
     あなたが好きだという日には。

    …………………………

     そして。
     あなたが好きだという比には、僕は大苦戦を強いられるだろう。
     昔から、苦手なんだ数学って。



    …………………………
     一番最初に浮かんだのが最後の文句であるとか、じつはそんな話。
     発音上のお話しと読点で繋げて、書いてみました。

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    9Nights10Days_1st

     ……どこかの映画タイトルだとか言わないように……


    【一日目】

     コーヒーの香りで目を覚ます。カーテンの隙間はまだ暗く、もう一度夢の国へ行こうかと布団をかぶり直した。
     開けっ放しのドアの向こうから、めざとくそれを見つけたケトルが僕をしかる。はいはい、君の頼みじゃしかたない。ふたつ積んだ枕に手をついて起きあがった拍子に、サイドテーブルに出しっぱなしだった画板が空中でもたつく。
     一緒に乗っていたパレットごと――やはり布団に戻ろう。ケトルがしかりつけてくれるが萎えてしまった気合いが簡単に戻らないのだ。
     今日はカレンダー折り返し。
     休日明けの少し肌があわだった、朝。
     安普請のふたりふた部屋、キッチンひとつ。天井からコーヒー豆の麻袋がかかっていて、はじめはリンゴが入っていた木箱の中にジャガイモとタマネギがおさまっている。気がよすぎる向かいの住人に分けてもらった香草の束はキッチンの小窓に下がっている。その近くの定位置で、ケトルは僕が話を聞いていないとついに怒り出してしまった。
     僕はまだ眠いのに何でケトルが僕を呼ぶんだろうと、多分出かけてしまった同居人を内心恨んだ。
     常ならば閉じているコーヒーの袋から漂う匂いがケトルの声と絡まって僕を誘う。濡れて冷えた空気にかためられて、いつもはすぐ床に落っこちてしまうのに。
     君は何をしていたの。アパルトマンの二階、君は何をしてくれたの。
     流し台に転がっている客用カップはコーヒーの染みがついている。
     ポットの中に何も残さず薫香だけ漂わせている。
     すすいで壁のフックに引っかけた。
     火にかけたままで出かけるなんてどうかしている。
     白んでいく窓の外、教会の鐘がいちばんはじめの仕事をした。
     たんとん、たん、と履きつぶした靴が階段をうつ。
     すっかり機嫌をよくしてくれたケトルがもう一杯いかがと笑む。
     洗ったばかりのカップをとって、鍵穴が回る音を聞く。
     いただくよ、それからもう一人分、追加できるかい?
     

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    位置についたら拳を掲げて

     なんだか頭が迷走しはじめたので息抜き。
     こんな処方せんを出した白沢さん。


    …………………………

    【普段しないことをしてみよう】

     位置についたら拳をあげて、そのまま跳ね上がってみる。片足着地、逆足踏切、そして着水、いち、に、さん。
    「ぷは!」
    「ぷぷはっふぃ!」
     同時に浮かびあがってきて、まったく気の合わない動作で胸にため込んでいた息を解放した。
    「いざ主様もっ」
     期待の目を向けてくるふたりの名前はキラルとキルア、常磐宅の居候である。
    「はいはい解ったやったげよう。白線に立って? 白丸のトコが左足足着陸位置で、そのあと黒丸のトコで右踏切でひねりを入れつつ跳びこめと。……最後にこれも聞いたげようか、キラキル」
    「まとめないでくださいませんかね主様」
    「失敬失敬ー。しっかり爽やかに流れている川だけれども、水深どのくらいかな?」
    「キラルの腰ほどにございますよ」
    「キルアの肘と手首のなかほどにございますよ」
    「はーん、そう、腰、ってことは僕にとっちゃ腿より下かー」
     所詮は川、怪我せずに跳びこめる深さではないのだった。せめて二メートルはほしい。軟体動物のごとき動きができるキラキルならまだしも、常磐は「とりあえず人間」の形を崩せないのだ。彼らほどの身体的な無茶が効かない。
     キラルはもともと朔月の狸、変身能力が標準装備だとかずるすぎるだろう。先も水に落ちる一瞬に姿を揺らがせ、問題なく水の中に潜りこんでいる。
     キルアの本性も似通ったものである。相方同様、頭の上に葉っぱを乗せて水面にダイブしていた。
    「そこのキツネ。今すぐ九十八円で買えるカップ麺買ってきなさい。川からあがったら僕が食べるから」
    「あかいのがいいですかー」
    「みどりのがいいですかー」
    「キルアはあかいのー」
    「キラルはみどりのー」
    「いっそ両方買って来ちゃいなさい! 二カップくらいいける!」
    「んでは、主様。まずはよいやさっと。位置についてーよーい」
    「インスターン!」
     たん、とっ、ばしゃがつん!

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    古老のたわごと

     ガラス磨いた辺りで自宅前に戻ることを放棄しました、白沢です。
     初出勤は実家から(笑)
     残る時間はどべうちと過ごします……。




    【たわごと】

    ギルベリアのいわくすべて記録は破らるるべくして成立し、証明はすべからく覆されるべくある――と。

    古老の戯言である。
    あってたまるか、そんなこと。

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    ひかるように、ひかるちょうの、ひかるろうか

     段取り八割金利は二割。事前打ち合わせって大切。




    …………………………


     ふたつならんだデスクの前を通り過ぎ、目的地で足を止めた。
    「社長、会長、トップ団長」
    「……にゃにをいっているのかねぇ」
     最近入れ歯を忘れる日が続き、めっきり滑舌が怪しくなった一番奥のデスクの主は、にぇえ、とも聞こえる言葉をいいながら首を傾けた。10年前から細身だった彼の首は半開きの傘のよう。くぼんだ首の付け根を見るたびに、実家の棚田を思い出す。
    「トップ団長、質問してもよろしいでしょうか」
     がんばれ、俺、入社十年の謎を解き明かせ。
     にゃんたい、と――多分、なんだいだろう、トップ団長のうながしに支えられ、この十年というもの思っても思っても口にできなかった疑問を叫んだ。
    「社長と会長は解ります! でもトップ団長って何ですか! ていうか何で会長と社長のデスク並んでるんですか! 俺、あ違った私と同じ机と椅子なんですか!」
    「きみだって支社長じゃにゃいかねぇ」
    「このビル勤務なんですけど!」

    小ネタ : (株)秘密結社エリマキトカゲ より

    …………………………

     昔は百花がこの手のノリができる話だったんですが(「鉄火巻き上下編」とか)、最近紫苑が変わったので腑に落ちないネタができなくなりました……陽羅とエリマキトカゲが最後の砦です。
     陽羅は「ニンジンソード!」あたりがあらゆるネタを詰めこんだ感じ。

     エリマキトカゲは設定からしてトンデモなのでトンデモなネタをがっつり仕込めていい感じです。
     社員数は平常時二十名です。はい。たまに増えます。基本派遣業のようです。希に増殖します。三日に一回社員の一人が死んで甦生します。一週間ごとに社員の一人が外見をものっそかえます。毎日目の色が違う社員がいます。炎色反応する逆立った髪の社員もいます。
     そんな株式会社です。
     こー、地上駅のある車両からのみ駅に一枚だけ設置されてるこの会社のどでかい看板が見えて、見ちゃった人が内心ツッコミ入れる雰囲気の。

     (株)秘密結社エリマキトカゲ

     そのうちサイトにほんとにアップしたいです。
     でもこういう小ネタが飛ばせる話すぎて、まとまった何かがないんですけど。

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